音無（おとなし）小夜（さや）はピアノが大好きな女の子。彼女は幼い頃、柴犬の子どもを拾った。命名、タロウ。ある日、小夜は事故に巻き込まれてしまって――。一匹と女の子の切なく優しい雰囲気を目指してみたお話し。

Novel1&2-ファンタジーぽい恋愛も混ざり中。

　雪まみれになって倒れていた一人の少女が出会ったのは、あたたかいひとつの家族。大切な「声」まで失った彼女は彼らと触れ合う中で少しづつ強さを身につけていくものの……。

大学生の来栖冷夏はある日、友達にライブに誘われる。そこで出会ったのは、三年前に別れた世界的ボーカリストの月哉だった。以前の朗らかな様子とは違って狂気じみていく彼の姿に心を痛める。それでも冷夏には彼を受け入れられない理由があった。

脚本家の相模千尋は、毎日をなんとなく過ごしていた。隙間のある日常。幸せを見つけられない自分。少しづつ感情を失っていくような気分に陥っていたときに、新人俳優の橘和紀と出会う。彼に惹かれながらも、不倫を重ねている「えっちゃん」の存在が少しずつ大きくなっていくことに戸惑い始める。

高校二年生の佳澄は義兄の睦月と二人暮らし。それぞれ想い合っているにも関わらず、過去の罪に苛まれていて想いを告げることはできない。それでも一緒にいられるだけでいい。そう思っていたのに、次第に二人の生活はかき回され始めてしまう。

互いを思いやり、心から愛し合っていたふたり。寄りかかって、喧嘩して、愛し合って、幸せな時間はやがて終わりを告げる。そして半身を失って臆病になった少女は、男の人に出会う。そこで導かれた新しい世界で、前に進むための勇気を、少しづつ ―― 。

まあるく浮かぶ月を見た。月を見ていたら、急に電話をかけたくなった。
この想いを誰かに伝えたくなった。（短編）

冬の月を見上げて、寂しいと泣き出した。
この歌を聴くたびそんなあなたのことを思い出す。（短編）

兄は冬の海が好きだと言った。どうしてって、問いかけたら
俺くらいになったらわかるさと笑った。＜恋愛なし＞（短編）

手の届かない場所にいってしまった、彼女。彼女を傷つけた私。
久しぶりの彼との、再会。（短編）